昨年末から何度か、個人での不動産貸付業を法人化した場合に税金や社会保険料の負担がどうなるか試算してほしいという依頼をいただくことがあったので、今回専用のシミュレーションシートを作成してみました。
以前より私の事務所のHPで提供している、個人事業の法人成りシミュレーションシートの不動産所得版といった感じです。
シミュレーション元の数字の入力画面を不動産所得用の青色申告決算書の様式にした他、不動産が複数の方の共有であった場合にも、持分を入力することによりそれぞれの税額がシミュレーションできるようになっています。
個人事業の場合と違って、不動産所得以外の所得があるというケースも結構ありましたので、税額についてはもともとの所得にかかる税金と不動産所得にかかる税金を分けて計算し、不動産所得分の税負担の変化のみを対比できるようにしています。
説明する際には、A4一枚で損益と、税・社会保険料の変化を説明することができます。
→このエクセルファイルは、こちらのホームページからダウンロードできます
※これまでは法人の利益を全部役員報酬として吐き出すのがセオリーでしたが、法人税の率が下がってくると、当座の納税額を下げるためにはある程度法人に残しておくことになるんですよね。
先日も麻生財務大臣が更なる法人税率の引き下げを容認するようなニュースが出ていたので、その際にはもっと法人に留保することになっていくのでしょうか。
麻生財務相が公の場で初めて容認 法人実効税率の引き下げ - SankeiBiz(サンケイビズ)
でも小さい会社や不動産所有会社の場合、会社に留保しても使いどころがあまりないんですよね。
法人に留保しすぎると、ためたお金を最終的にどうするのか?退職金で全部はけるのか、はけなかった場合にはM&Aなどを検討する必要があるのかという、出口のことも考える必要がありますよね。
でも税率が下がっても、中小企業には「特定同族会社の役員給与の損金不算入」の規定とかが復活して、恩恵を受けるのは大企業だけになったりして(^^;。