Quantcast
Channel: 夢見る税理士の独立開業繁盛記
Viewing all articles
Browse latest Browse all 314

税効果会計計算シートを修正しました

$
0
0

私の事務所のホームページで公開している「税効果会計計算シート」ですが、「税効果会計に係る会計基準」の改正が去年あったので、一部修正しました。
改正内容は、以下の二つになります。

  1. 今まで長期・短期に分けて表示していた繰延税金資産繰延税金負債を、分けずに集計・相殺した上で、繰延税金資産が多い場合には「投資その他の資産」、繰延税金負債が多い場合には「固定負債」に表示
  2. 評価性引当額の内訳と税務上の繰越欠損金に係る情報の注記の追加


1の繰延税金資産・負債を一律固定区分に表示するのは、長期・短期を考える必要がなくなったので楽になった感じですかねえ。
修正した計算表も計算要素がかなり減って、シンプルになりました。
f:id:kobarin:20190925175913j:plain
改正に際してのパブコメのコメントを読むと、

IFRSの取扱いについては、当時の IASB の審議資料において、繰延税金資産及び繰延税金負債のすべてを非流動区分に表示する根拠として、決算日以後に納付する法域では、解消時期が 1 年以内の一時差異についても、1 年以内にキャッシュ・フローは生じないことに留意した、と記載されていた点を踏まえ、我が国においても同様の事情があることを確認した上で、検討している。
また、米国会計基準の取扱いに関しては、複雑性を低減する簡素化の取組みを理由に変更したとされている点を踏まえ検討している。

と一応IFRS米国会計基準を参考にした上で

(2)「換金性のある資産ではない」ことを根拠とすること及び(3)1 年基準に基づく流動固定分類の考え方との整合性について、流動又は非流動区分に表示する取扱いもすべてを非流動区分に表示する取扱いも一定の論拠があることを確認した上で、財務諸表作成者の負担が軽減されること等を勘案し、すべて非流動区分に表示する方法を採用することとした。

で、結局実体のない資産・負債だから、手間を考えて一律固定で集計してもいいんじゃないという理由なんでしょうね。


2の注記の追加については、スケジューリングの表からできるだけ数字を拾えるよう、繰越欠損金額の発生年を5年まで増やしてみましたが、正直ここまで必要なのでしょうかねえ・・・。
f:id:kobarin:20190926050438j:plain
「予定は未定」と言ってしまったら身も蓋もないんでしょうけど、何年も先の欠損金の解消予定とか、どこまで精緻に予測しないとダメなのかしらと思ってしまいます。
まあ今年はこのシートで、会計士さんのダメ出しなしでちゃっちゃと終わらせられたらいいのだけど。


※先週末はクラウド会計freeeの講習会と、出版社との打ち合わせに東京に。
f:id:kobarin:20191001183524j:plain
遅れ馳せながら最近初めてクラウド会計にチャレンジしているのですが、今までの会計ソフトとは大分勝手が違うので、うんうん試行錯誤の連続です。
ネットバンキングやクレジットカードを多用している人は便利そうだけど、そうじゃない人には却って大変だったのかもと、ちょっと自信喪失な感じです(^^;。
「少しのことにも、先達はあらまほしきことなり。」きっとまだまだ知らない機能がありそうだし、やっぱりちゃんと教えてもらうべきなのかなあ・・・。


神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です


Viewing all articles
Browse latest Browse all 314

Trending Articles