「なんだか最近ずっと資金繰りが厳しいような気がするので、ちょっと帳簿見て原因を教えてもらえないでしょうか?」
お客様とお話をしている際に、こういった質問をいただくことがありました。
月次のキャッシュフローを見ていても、特に資金残高に汲々としている様子が見られなかったので、これは月中の入出金のタイムラグかなと、日々の資金繰り表を確認してみることに。
月末の資金残高には問題ないように見えても、売掛金の入金より先に、仕入や外注、給与の支払いが来る場合、月中で一時的に資金繰りが苦しくなる「資金の谷」ができてしまう場合があります。
資金の谷がある場合、この谷を乗り切るための資金をキープしておくために、中々仕入や給与を増やすことができないという状況になってしまうので、これを回避し事業を拡大するためには資金の谷ができてしまう理由を明らかにしておくことが大事になります。
原因が分かれば、支払のタイミングをずらしたり、足りない分を運転資金の融資としてお願いするといった対処法が検討可能になってきます。
この資金の谷の診断ですが、弥生会計の場合私の事務所のホームページで公開している「資金繰り表作成シート」を使うと、どこで苦しくなっているのかが視覚的に一目で分かるので、今回も使ってみました。
次のデータはダミーデータですが、毎日の資金残高を自動でグラフ化できるので、どこで苦しくなっているのかやいくら資金があれば乗り切れるのかが浮彫りになってきます。
税理士の業務では日次の資金繰り表は活用する場面はまずないですが、こういった資金繰りの相談に対応する場合、診断ツールとしては便利なのかもしれませんね。