昨年末から話題になっていた、大阪地裁での競馬脱税の裁判。5月23日に有罪の判決がでたようです。
外れ馬券は必要経費 脱税額10分の1に - 社会ニュース : nikkansports.com
雑所得扱いで、はずれ馬券も必要経費。まあこれだけ反復・継続していたら、実情に即した妥当な判断のような気がします。
ただ賭け事の損失が年金など他の雑所得と相殺できてしまうと、モラルハザードにつながってしまうような気がするので、先物取引のように損益通算の制限とかが必要になるのでしょうね。
この話を聞くと思い出すのが昔所得税の勉強をしたときに講師が言っていた、「当たり馬券の払戻金は一時所得になるけれど、ネットで買ったら足がつくので、現金で買う方がいいのでしょうね(笑)」というオチで終わる小咄です。
このオチの裏にあるのは、「現金ベースの賭け事の所得は捕捉が難しい」と言うことと、「捕捉できないと公平な課税が難しい」という現実があることです。実際馬券売場やパチンコ屋さんで不特定多数を相手に現金で決済している場合、本人の申告がなければ、一人一人の儲けを把握することはまず不可能です。
しかし28年1月から運用予定のマイナンバー制度があれば、賭け事の所得に対しても課税可能になってくるのかなと思います。
例えばタバコを買うときにタスポを呈示するように、馬券の購入時や換金時、パチンコ屋さんでのパチンコ玉の貸し出しや景品引き換え時などに、マイナンバーが登録されたカードを呈示して登録するようにすれば、まっとうな胴元が行う賭け事の所得ならかなりの部分捕捉できるように思えます。
またマイナンバーで個人の特定が容易にできるようになれば、JRAやパチンコ屋さんなどの胴元が源泉徴収することもできそうですよね。賭け事の賞金の場合、納税の際にお金が残ってないということもあり得る話ですから、払い戻しの際に払戻金の1割なり2割を源泉徴収しておけば、賞金を次の賭け事に使ってすってしまって、納税資金がなくなってしまったという今回のような可能性も減らすことができそうな気がします。
所得が少額の場合などは配当所得のように、分離課税で源泉徴収のみでもOKというようにしておけば、本人の負担も少ないのかなと思ったり。
違法な賭け事は取り締まって、合法な賭け事は儲けをきちんと捕捉して公平に課税する。いろいろ批判の多いマイナンバー制度ですが、こんなことを含め公平な課税につながるのであれば、導入は致し方ないのかなあと個人的には思います。
マイナンバー制が導入されて、リンク先のように電子領収書などが出てくるようになってきたら、便利な反面、ガラス張りになりすぎてちょっとそら恐ろしいような気もしますが・・・(^^;。
※ipadを購入してしまいました。
税理士さんで、タブレットを仕事に便利に使いこなせているという話はあまり聞きませんが、何かおもしろい使い道はあるでしょうか?