7月10日期日の納期特例の源泉所得税の納付。今回の納付からダイレクト納付にする場合は、手続完了までに一か月程度かかるので、そろそろ準備を始めなければなりません。
ダイレクト納付は自動振替と同じように、金融機関が対応さえしていればネット口座がなくともできますし、税理士が手続きをすれば納税者は何もしなくても指定日に指定額が引き落とされるので、納税者が銀行に行く手間がなく便利な制度です。
税理士が納付書の提出から、口座からの引き落としの指示まで一気通貫でできるこの制度。いつも気になるのはこの引き落としの指示は税理士業務のどの範囲になるのかなあということです。
ダイレクト納付の届出書には、以下のように「なお、税理士から申告書等を代理送信した場合には、税理士が私(当社)に代わって電子納税(ダイレクト方式)手続の実行をできるよう、あわせて届け出ます。」の文言があります。
税理士法的に税理士の業務は、「税務代理」と「税務書類の作成」と「税務相談」の3つと、これらに付随する財務に関する事務となっています。
(税理士の業務)
第二条 税理士は、他人の求めに応じ、租税(印紙税、登録免許税、関税、法定外普通税(地方税法 (昭和二十五年法律第二百二十六号)第十三条の三第四項 に規定する道府県法定外普通税及び市町村法定外普通税をいう。)、法定外目的税(同項 に規定する法定外目的税をいう。)その他の政令で定めるものを除く。以下同じ。)に関し、次に掲げる事務を行うことを業とする。
一 税務代理(税務官公署(税関官署を除くものとし、国税不服審判所を含むものとする。以下同じ。)に対する租税に関する法令若しくは行政不服審査法 (昭和三十七年法律第百六十号)の規定に基づく申告、申請、請求若しくは不服申立て(これらに準ずるものとして政令で定める行為を含むものとし、酒税法 (昭和二十八年法律第六号)第二章 の規定に係る申告、申請及び不服申立てを除くものとする。以下「申告等」という。)につき、又は当該申告等若しくは税務官公署の調査若しくは処分に関し税務官公署に対してする主張若しくは陳述につき、代理し、又は代行すること(次号の税務書類の作成にとどまるものを除く。)をいう。)
二 税務書類の作成(税務官公署に対する申告等に係る申告書、申請書、請求書、不服申立書その他租税に関する法令の規定に基づき、作成し、かつ、税務官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第三十四条において同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下同じ。)で財務省令で定めるもの(以下「申告書等」という。)を作成することをいう。)
三 税務相談(税務官公署に対する申告等、第一号に規定する主張若しくは陳述又は申告書等の作成に関し、租税の課税標準等(国税通則法 (昭和三十七年法律第六十六号)第二条第六号 イからヘまでに掲げる事項及び地方税に係るこれらに相当するものをいう。以下同じ。)の計算に関する事項について相談に応ずることをいう。)
2 税理士は、前項に規定する業務(以下「税理士業務」という。)のほか、税理士の名称を用いて、他人の求めに応じ、税理士業務に付随して、財務書類の作成、会計帳簿の記帳の代行その他財務に関する事務を業として行うことができる。ただし、他の法律においてその事務を業として行うことが制限されている事項については、この限りでない
- 納税者に代わって税理士が「電子納税(ダイレクト方式)手続」を行うことは、これらのうちどこに含まれるのか?
- 万が一税理士が代わって手続きしたときに、金額や引き落とし日を間違えたりして口座に穴を空けて納税者に損害を与えた場合などには、善管注意義務を問われたりするのでしょうけど、それは税理士業務上のことなので税理士レベルでの善管注意義務を問われるのか、税理士業務の範囲外のことなので一般人レベルの善管注意義務を問われるのか?
- 税理士業務でなければ、税賠保険の支払い対象にならないのか?
ダイレクト納付の手続きを行う際には、そんなことをふと考えたりしてしまいます。
便利なものなので、そんなことを考えず使う方がいいのでしょうけど・・・。