今月の27日に、所属する支部の研修会で久しぶりに研修講師をすることになりました。
研修テーマは電子帳簿保存法のうち、電子取引データの保存方法とデータの活用方法。
前半の研修会で、電子帳簿保存法における電子取引データ保存の概要を説明した後、後半は相談会として、次の動画のような自動でPDFファイルから「取引日付」、「金額」、「取引先名」を抽出し、検索要件を満たす索引簿の作成とファイルのリネームを行うExcelファイルをお配りして、具体的な使い方を解説する予定にしています。
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電子取引データの保存ですが、「猶予措置」ができたことで今まで通り、電子取引データを書面で印刷して保管しておけばいいんじゃないのとか言われることもありますが、猶予措置の適用を受ける場合次のように書面印刷だけではなく「ダウンロードの求め(要求)」にも応じる必要があります。
このダウンロードの求めについて、先月末に通達とQ&Aがでたので読んでみたのですが、割と厳しそうですよね。
7-9
規則第2条第2項第3号及び第6項、第4条第1項並びに第5条第5項の「国税に関する法律の規定による……電磁的記録の提示又は提出の要求に応じること」とは、法の定めるところにより備付け及び保存が行われている国税関係帳簿又は保存が行われている国税関係書類若しくは電子取引の取引情報に係る電磁的記録について、税務職員から提示又は提出の要求(以下7-9において「ダウンロードの求め」という。)があった場合に、そのダウンロードの求めに応じられる状態で電磁的記録の保存等を行い、かつ、実際にそのダウンロードの求めがあった場合には、その求めに応じることをいうのであり、「その要求に応じること」とは、当該職員の求めの全てに応じた場合をいうのであって、その求めに一部でも応じない場合はこれらの規定の適用(電子帳簿等保存制度の適用・検索機能の確保の要件の緩和)は受けられないことに留意する。したがって、その求めに一部でも応じず、かつ、規則第2条第6項第5号に掲げる要件(検索機能の確保に関する要件の全て)又は第5条第5項に定める要件(優良な電子帳簿に関する要件。なお、国税関係書類については、これに相当する要件)が備わっていなかった場合には、規則第2条第2項、第3項若しくは第6項、第3条又は第4条第1項の規定の適用に当たって、要件に従って保存等が行われていないこととなるから、その保存等がされている電磁的記録又は電子計算機出力マイクロフィルムは国税関係帳簿又は国税関係書類とはみなされないこととなる(電子取引の取引情報に係る電磁的記録については国税関係書類以外の書類とみなされないこととなる)ことに留意する。
また、当該ダウンロードの求めの対象については、法の定めるところにより備付け及び保存が行われている国税関係帳簿又は保存が行われている国税関係書類若しくは電子取引の取引情報に係る電磁的記録が対象となり、ダウンロードの求めに応じて行われる当該電磁的記録の提出については、税務職員の求めた状態で提出される必要があることに留意する。
ダウンロード要求に一部でも応じられなければ猶予措置はアウトで、その場合に検索要件などを満たしていなかったら(猶予措置を適用するぐらいだとまず満たしていないでしょうし)、本来の要件もアウトで終了って感じになるんですよね・・・。
Q&Aを読んでも、印刷したものを出したりディスプレイ表示するだけではダメで「電磁的記録を複製した写しとしての電磁的記録の提出」ができないとダメみたいですね。
電磁的記録のダウンロードの求めについては、あくまで電磁的記録を複製した写しとしての電磁的記録の提出を求めるものであり、保存している電磁的記録を出力した書面を提示又は提出したり、電磁的記録を出力したディスプレイの画面を提示したりしたとしても、ここでいうダウンロード等の求めに応じたこととはならないことに留意する
なんだかこんな感じだと、猶予措置の適用を受けても、ちゃんとダウンロード要求に応じられるような電子取引データの保存ができないってリスクは、小さな会社だとそれなりというかかなりありそうな気がしますよね・・・。
やっぱりエクセルの索引簿でもいいから、小さな会社も検索要件を何とか満たすようにしておくのが無難なのかもしれませんね。